<前■ [TESⅣ:OBLIVION] ■次>
―騎士を"自称する"OrcがLeyawiin城に居座っているらしい。
Leyawiinを統治するMarius伯爵は、彼女をどうにかしたいと考えているそうだが―
―騎士を"自称する"OrcがLeyawiin城に居座っているらしい。
Leyawiinを統治するMarius伯爵は、彼女をどうにかしたいと考えているそうだが―
Fighters Guildの任務で入手した戦利品を換金している時、彼女はその話を耳にした。
(Orcの騎士、か……どんな人なのかしら)彼女は思った。
彼女は大変好奇心が強いElfだ。そのOrcに会ってみたいとも思った。
その時点では、確かに彼女の心の中にも、まさかOrcが"騎士"だなんて、という意識が潜在していた。
だからこそ、この話は彼女の興味を引いたのだ。
「ありがとう」
彼女は店主に一言礼を言い、店を後にした。
(Leyawiin城)

……居た。
「貴方がOrcのMazoga?」
彼女は話しかけた。
(Mazoga)「貴方が伯爵でありますか?」
「(質問に質問で答えるなよ……)いいえ、私は通りすがりの……」
(Mazoga)「ならば話す事など無い!」
それ以降は、目を合わせようともしない。
元々Orcは荒っぽい種族で、上から目線で話をしてくる輩も少なくない。
彼女は、このMazogaもその一人なのだろうと考えた。
(伯爵と話しますかね)
彼女は城の奥、謁見の間へと歩いた。

(Marius伯爵)「あまり見ない顔だな」
「初めてお目にかかります。Fighters Guildの任務の一環で、貴公の街にお立ち寄り致しました」
(Marius伯爵)「ご苦労。あの三人の件についての苦情はここでもよく耳にしていた、感謝しているぞ」
「恐縮です」
(Marius伯爵)「ところで、もう一つ私に奉仕してもらいたい事がある」
「……あのOrcですか」
(Marius伯爵)「その通り。自らを騎士と自称するMazogaという名のOrcがこの城に居続けているのだが、彼女の目的が明らかではないのだ。彼女が何故ここにいるのか突き止め、それを私に報告してほしい。そうすれば君はLeyawiinに奉仕したとして、報償を得られるであろう。」
恐らく、伯爵は「伯爵からの報償」で彼女を釣ろうとしたのだろう。
しかし、今の彼女には、と言うよりむしろ彼女の性格からして、それは不要であり、それが無くとも彼女の返事は変わらない。
彼女は、彼女の好奇心をもって行動した。とりあえず、騎士だというOrcと話がしてみたかったのだ。
その考えの底では、先ほどのMazogaの反応のせいでもあるが、Orcに対する軽蔑の念が少なからずあった。
「させていただきます。」
(Marius伯爵)「よろしく頼む」
彼女は謁見の間を後にし、再びMazogaに話しかけた。

(Mazoga)「何の用だ」
「伯爵の使いよ」
(Mazoga)「伯爵?話をしよう。私はMazogaだ。」
「あなた、Orcよね?」
(Mazoga)「そう、私はOrcだ。岩石の下で生まれた。両親は居ないから私には姓も必要無い。」
「そう……ところでMazoga、」
その呼びかけをMazogaは遮った。
(Mazoga)「あなたは騎士との接し方を知らないようだから、私が教えてやろう。『Yes, Sir Mazoga(はい、Mazoga卿)』と言えばいい。」
考えてみれば、彼女は今まで"騎士"と会った事は無かった。
Cyrodiilに来てから日が浅いのもあるが、騎士団などの話も聞いた事が無い。もちろん、騎士に対する接し方なんて知らない。
Orcで、しかも女性のMazogaをSir(男性の敬称)で呼ぶのには少し違和感を覚えたが、今は逆らわない事にした。
話を円滑に進めたかったというのもある。しかしその上に、"最悪の場合"には勝ち目が無いと彼女は考えた。
Mazogaの装備や体格からすると、Mazogaは肉弾戦を得意とする重戦士である。
そうなると、軽装で隠密行動や遠隔攻撃を得意とする彼女とは相性が悪い。
この近距離で斬りかかられたら、Guardが止める前に彼女の首が飛んでしまうだろう。
それよりも、そもそも今彼女と敵対する利点は彼女にとって一つも無い。
「わかったわ、Sir Mazoga(マゾーガ卿)」
彼女は素直に答えた。
(Mazoga)「よろしい、忘れるなよ。」
「で、マゾーガ卿はどこの騎士団に?」
(Mazoga)「流浪の騎士だ。君主も居ない。それがどうかしたか?」
「(なるほど、そりゃ街の人も不審に思うわ……)いえ、特に。それで、用件は何なのかしら?」
(Mazoga)「街にWeebam-Naという名のArgonianが居る。探して欲しい。彼は狩人だと聞いてこの辺りの森を回ってみたのだが居なかったのでな」
「ここに連れてくればいいのね?」
(Mazoga)「そうだ。すぐに会いたいと伝えてくれ。」
またお使いで仕事が終わるのかと思うと、冒険心の強い彼女は少し落胆した。
「わかったわ、探してくる」
(Mazoga)「頼む」
彼女はLeyawiin城を後にした。
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(Orcの騎士、か……どんな人なのかしら)彼女は思った。
彼女は大変好奇心が強いElfだ。そのOrcに会ってみたいとも思った。
その時点では、確かに彼女の心の中にも、まさかOrcが"騎士"だなんて、という意識が潜在していた。
だからこそ、この話は彼女の興味を引いたのだ。
「ありがとう」
彼女は店主に一言礼を言い、店を後にした。
(Leyawiin城)
……居た。
「貴方がOrcのMazoga?」
彼女は話しかけた。
(Mazoga)「貴方が伯爵でありますか?」
「(質問に質問で答えるなよ……)いいえ、私は通りすがりの……」
(Mazoga)「ならば話す事など無い!」
それ以降は、目を合わせようともしない。
元々Orcは荒っぽい種族で、上から目線で話をしてくる輩も少なくない。
彼女は、このMazogaもその一人なのだろうと考えた。
(伯爵と話しますかね)
彼女は城の奥、謁見の間へと歩いた。
(Marius伯爵)「あまり見ない顔だな」
「初めてお目にかかります。Fighters Guildの任務の一環で、貴公の街にお立ち寄り致しました」
(Marius伯爵)「ご苦労。あの三人の件についての苦情はここでもよく耳にしていた、感謝しているぞ」
「恐縮です」
(Marius伯爵)「ところで、もう一つ私に奉仕してもらいたい事がある」
「……あのOrcですか」
(Marius伯爵)「その通り。自らを騎士と自称するMazogaという名のOrcがこの城に居続けているのだが、彼女の目的が明らかではないのだ。彼女が何故ここにいるのか突き止め、それを私に報告してほしい。そうすれば君はLeyawiinに奉仕したとして、報償を得られるであろう。」
恐らく、伯爵は「伯爵からの報償」で彼女を釣ろうとしたのだろう。
しかし、今の彼女には、と言うよりむしろ彼女の性格からして、それは不要であり、それが無くとも彼女の返事は変わらない。
彼女は、彼女の好奇心をもって行動した。とりあえず、騎士だというOrcと話がしてみたかったのだ。
その考えの底では、先ほどのMazogaの反応のせいでもあるが、Orcに対する軽蔑の念が少なからずあった。
「させていただきます。」
(Marius伯爵)「よろしく頼む」
彼女は謁見の間を後にし、再びMazogaに話しかけた。
(Mazoga)「何の用だ」
「伯爵の使いよ」
(Mazoga)「伯爵?話をしよう。私はMazogaだ。」
「あなた、Orcよね?」
(Mazoga)「そう、私はOrcだ。岩石の下で生まれた。両親は居ないから私には姓も必要無い。」
「そう……ところでMazoga、」
その呼びかけをMazogaは遮った。
(Mazoga)「あなたは騎士との接し方を知らないようだから、私が教えてやろう。『Yes, Sir Mazoga(はい、Mazoga卿)』と言えばいい。」
考えてみれば、彼女は今まで"騎士"と会った事は無かった。
Cyrodiilに来てから日が浅いのもあるが、騎士団などの話も聞いた事が無い。もちろん、騎士に対する接し方なんて知らない。
Orcで、しかも女性のMazogaをSir(男性の敬称)で呼ぶのには少し違和感を覚えたが、今は逆らわない事にした。
話を円滑に進めたかったというのもある。しかしその上に、"最悪の場合"には勝ち目が無いと彼女は考えた。
Mazogaの装備や体格からすると、Mazogaは肉弾戦を得意とする重戦士である。
そうなると、軽装で隠密行動や遠隔攻撃を得意とする彼女とは相性が悪い。
この近距離で斬りかかられたら、Guardが止める前に彼女の首が飛んでしまうだろう。
それよりも、そもそも今彼女と敵対する利点は彼女にとって一つも無い。
「わかったわ、Sir Mazoga(マゾーガ卿)」
彼女は素直に答えた。
(Mazoga)「よろしい、忘れるなよ。」
「で、マゾーガ卿はどこの騎士団に?」
(Mazoga)「流浪の騎士だ。君主も居ない。それがどうかしたか?」
「(なるほど、そりゃ街の人も不審に思うわ……)いえ、特に。それで、用件は何なのかしら?」
(Mazoga)「街にWeebam-Naという名のArgonianが居る。探して欲しい。彼は狩人だと聞いてこの辺りの森を回ってみたのだが居なかったのでな」
「ここに連れてくればいいのね?」
(Mazoga)「そうだ。すぐに会いたいと伝えてくれ。」
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